Guide · ガイド

健康経営優良法人とは?認定基準・ホワイト500・ブライト500の違いを解説

健康経営優良法人認定制度の概要、認定基準、ホワイト500・ブライト500の違い、認定取得のメリットと申請の流れを実務担当者向けに解説。最新の認定企業数と業界別動向も掲載します。

··読了目安:10

健康経営優良法人とは — 経産省が顕彰する健康経営の優良企業

健康経営優良法人とは、経済産業省と日本健康会議が、従業員の健康管理を経営的視点から戦略的に実践している法人を顕彰する認定制度です。2016年度に創設され、毎年3月に翌年度の認定法人が発表されます。

認定の対象は大規模法人部門中小規模法人部門に分かれており、それぞれの上位500法人に「ホワイト500」「ブライト500」の冠が付加されます。健康経営優良法人2026では、大規模法人部門で3,765法人、中小規模法人部門では16,000法人を超える企業が認定されており、日本における健康経営の取組がいかに広がっているかを示しています。

2つの部門と4つの認定区分

大規模法人部門

製造業1,000人超、卸売業100人超、小売業50人超など、業種ごとに従業員規模の基準が定められた「大規模法人」が対象。健康経営度調査の結果、健康経営の取組が特に優れた上位500法人にはホワイト500の冠が付与されます。

中小規模法人部門

上記の規模基準未満の中小企業が対象。健康経営の取組評価に応じて、上位500法人にはブライト500、次の上位1,000法人にはネクストブライト1000の冠が付与されます。中堅・中小企業の優良企業を見つけるための指標として、近年特に注目されています。

認定の階層構造

認定区分は以下の階層となっています:

  • ホワイト500:大規模法人部門 上位500社
  • 健康経営優良法人(大):大規模法人部門 認定法人
  • ブライト500:中小規模法人部門 上位500社
  • ネクストブライト1000:中小規模法人部門 上位1,001〜2,000社
  • 健康経営優良法人(中小):中小規模法人部門 認定法人

認定基準 — 5つの大項目

健康経営優良法人の認定は、以下5つの大項目に基づき評価されます。各項目には複数の小項目が設けられており、それぞれの達成度が総合スコアとして算出されます。

1. 経営理念・方針

健康宣言の社内外への発信、トップによる健康経営の明確な意思表明など、経営層のコミットメントが評価されます。

2. 組織体制

健康経営の責任者の任命、産業医・保健師との連携体制、健康保険組合等との連携など、組織としての推進体制が評価されます。

3. 制度・施策実行

定期健康診断の実施率、特定保健指導の実施、ストレスチェックの活用、メンタルヘルス対策、女性の健康課題への対応、生活習慣病予防、感染症予防など、具体的な施策の幅広さと深さが評価されます。

4. 評価・改善

健康投資の効果測定、PDCAサイクルの運用、施策の見直し体制など、継続的改善の取組が評価されます。

5. 法令遵守・リスクマネジメント

労働安全衛生法をはじめとする労働関係法令の遵守状況、過去の重大事故・違反の有無などが確認されます。

認定取得のメリット

採用力の強化

特に新卒採用において、「健康経営優良法人」「ホワイト500」「ブライト500」の認定マークは、求職者に対して客観的な働きやすさのシグナルとなります。マイナビ・リクナビ等の就活ナビサイトでは、認定企業を絞り込み検索する機能が導入されており、応募数の増加に直結します。

取引先・投資家からの信頼向上

上場企業を中心に、取引先選定や投資判断の評価項目にESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を組み込む企業が増加しています。健康経営優良法人認定は、社会面(Social)の評価で活用される代表的な指標です。

自治体・金融機関による優遇

一部の自治体や金融機関では、健康経営優良法人に対して、融資金利の優遇、自治体入札時の加点、表彰制度の対象化といった優遇措置を設けています。

570万社の日本企業データベースを、無料で検索する

TimeMachineXは国税庁・gBizINFO・日本年金機構・EDINETの公的データを統合した日本企業データベースです。法人番号・従業員数・資本金・売上で絞り込み検索できます。

企業を検索する →

申請方法と年間スケジュール

大規模法人部門の場合

毎年8〜10月頃に「健康経営度調査」が実施され、約60ページに及ぶ調査票への回答が求められます。回答内容に基づいてスコアリングが行われ、翌年3月初旬に認定法人と上位500社(ホワイト500)が発表されます。調査参加だけで申請扱いとなり、別途の申請手続きは不要です。

中小規模法人部門の場合

毎年8〜10月頃に申請を行います。所属する保険者(健康保険組合・協会けんぽ等)が運用する「健康宣言事業」に取り組んでいることが申請の前提となるため、未参加の場合は事前に保険者への加入手続きが必要です。中小企業の場合、調査票は大規模法人部門より簡素化されており、認定取得のハードルは比較的低くなっています。

認定企業を探す

TimeMachineXでは、健康経営優良法人・ホワイト500・ブライト500の認定企業を検索可能なデータベースとして提供しています。各認定企業のプロフィールでは、認定年度・所在地・従業員数・代表者・業種といった詳細情報を、国税庁・gBizINFO・日本年金機構のデータと統合した形で確認できます。

健康経営優良法人に関するよくある質問

健康経営優良法人認定はいつから始まりましたか?
健康経営優良法人認定制度は2016年(平成28年)度に経済産業省と日本健康会議によって創設されました。2017年からは大規模法人部門の上位法人に「ホワイト500」の冠が付与され、2020年からは中小規模法人部門の上位法人に「ブライト500」の冠が付与されています。
ホワイト500とブライト500の違いは?
ホワイト500は、健康経営優良法人 大規模法人部門の上位500法人に付与される称号です。一方、ブライト500は中小規模法人部門の上位500法人に付与されます。同じ「健康経営優良法人」のなかでも、企業規模によって部門が分かれており、上位法人の冠も別々に設けられています。
認定を受けるとどんなメリットがありますか?
求職者・取引先・投資家からの信頼向上、優秀な人材の採用力強化、自治体や金融機関による優遇措置の対象化(一部地域)、公共調達における加点、自社のブランド向上といった効果が期待されます。特に新卒採用で「健康に配慮した働きやすい職場」をアピールする際に、客観的な認定として活用しやすい指標です。
認定企業数は今どのくらいですか?
健康経営優良法人2026では、大規模法人部門に3,765法人、中小規模法人部門に約16,000法人以上が認定されています。年々認定数は増加しており、特に中小規模法人部門での申請が拡大傾向にあります。
申請から認定までどのくらいかかりますか?
通常、毎年8月頃に健康経営度調査が始まり、調査票の提出締切は10月頃、結果の通知と認定発表は翌年3月初旬となります。申請から認定まで約半年〜8か月かかるため、早めの準備が必要です。

まとめ

健康経営優良法人認定は、経済産業省と日本健康会議が運営する公的認定制度であり、従業員の健康管理を経営戦略として実践する優良企業を顕彰するものです。大規模法人部門のホワイト500、中小規模法人部門のブライト500・ネクストブライト1000という階層構造により、企業規模に応じた適切な評価が行われています。

採用力強化、ESG投資への対応、自治体・金融機関からの優遇措置といった実務的メリットに加え、何より従業員の健康投資が長期的な企業価値向上に直結するという思想の浸透に、本制度は大きな役割を果たしています。求職者・投資家・取引先にとっては、健康経営優良法人の認定有無は、企業選定における客観的かつ信頼性の高い指標として活用できます。

この記事について

本記事はTimeMachineX編集部が、国税庁・経済産業省・厚生労働省・金融庁・日本年金機構といった公的機関の公開情報をもとに、企業情報リサーチ実務に役立つ形で整理したものです。情報は掲載時点のものであり、最新の制度・データについては各公的機関の公式サイトをご確認ください。

他の関連ガイド